大子町俳句ポスト 平成20年度

 平成20年度に投句された約2,000句の中から選ばれました、大子町俳句ポスト年間入選句をご紹介します。

大子町俳句ポスト大賞|優秀:一般の部 / 中・高生の部 / 小学生の部

大子町俳句ポスト大賞

袋田の瀧も青葉に染りけり

〈評〉

 瀧は夏の季語であるので「青葉」と季重ねになっていることは承知のうえである。それほど青葉という言葉が効いているということである。あの四段になって落ちる瀧は青葉の頃には一層その輝きを増す。辺り一帯の木々のなかを幅広く落ちる瀧は確かに青葉に染まるのではないかと思われる。「も」の一字が作品に広がりを与えていることも見逃してはならないと思う。辺りのもの全てが青葉に染まっている。その中の瀧を強調しているのだ。

(今瀬剛一)


大子町川の流れもすみわたる

〈評〉

 大子町にはたくさんの川が流れている。久慈川、押川、滝川・・、どの川を思って鑑賞してもいい。私は久慈川を思った。久慈川は大子町全体を貫くように流れている。その川の水が秋になってすっかり澄みわたったのである。「水澄む」という季語を知っていたのであろうか、その季語を実にうまく生かして使っている。どことなく大子町全体が静かに澄みわたっているような印象までを読者に与えるのではないか。

(今瀬剛一)


にっぽんのひのまるのぼるふゆのあさ

〈評〉

 「日の丸」は祝日に家であげているもの、あるいは学校などの官公庁であげているもの、いろいろ読者は想像をして鑑賞してもらいたいと思う。問題はなぜこの日の丸が印象的なのかということである。それは「日本の」という言葉に一種の誇りめいた思いが感じられること、「冬の朝」という季語によって全体の空気が引き締まって感じられることの二つのためである。いかにも子供らしい素直な表現にも心ひかれた。

(今瀬剛一)


優秀

一般の部

朝採りの山菜ならぶ道の駅 関根悦子 千葉県市川市
滝しぶきあびて春待つ木々のあり 髙橋 基 神奈川県横浜市
電車待つ駅舎のどけきつばくらめ 澤田不二代 千葉県流山市
よく売れる春の山菜道の駅 鈴木哲也 埼玉県さいたま市
残る蝉滝の水量おそるべし 寺門勇治 茨城県日立市
断崖の太き縦傷空澄めり 岸 三恵 茨城県牛久市
夏の蝶滝の上にて見失ふ 桜井眞子 茨城県水戸市
奥久慈も更に奥なる蕎麦の花 髙松幹夫 茨城県笠間市
奥久慈の茶園遠目に曼珠沙華 大森ふぢ 茨城県那珂市
深緑の山ふるわせて滝落つる 田口逸男 茨城県鉾田市
エレベーター開くや瀧の霊気浴ぶ 町田静子 茨城県水戸市
トンネルをぬけて広がる滝の音 庄司永子 茨城県つくば市
中段は身を引き締めて冬の滝 岡崎桂子 茨城県水戸市
振り返りまた振り返る滝紅葉 須藤 明 茨城県久慈郡大子町
ふるさとの川一筋に初光り 滝 正文 茨城県常陸太田市

中・高生の部

茶の里の風爽やかにそばを喰う 八木沢麻結 茨城県北茨城市
早朝の木造校舎に雪積る 中村建吾 茨城県久慈郡大子町
寒い中白い息はき滝を見る 藤曲春花 神奈川県相模原市
朝もやに映える紅葉が背中押す 鈴木ひかる 茨城県久慈郡大子町
気がつけば雨から雪に変わってる 菅井宇美 茨城県久慈郡大子町

小学生の部

滝の前春のしずくがふりそそぐ 松田夏波 茨城県小美玉市
おおきなきみあげてみたらふじのはな 潮田佳奈 茨城県那珂郡東海村
たきの水魚とともに生きている 佐久間香那 千葉県千葉市
はしりぬけぼくとおちばのきょうそうだ 滝 翔太 茨城県久慈郡大子町
しもばしらひるまはどこへいっちゃうの 金澤まや 茨城県久慈郡大子町

 

 

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