大子町俳句ポスト 平成21年度

 平成21年度に投句された約3,000句の中から選ばれました、大子町俳句ポスト年間入選句をご紹介します。

大子町俳句ポスト大賞|優秀:一般の部 / 中・高生の部 / 小学生の部

大子町俳句ポスト大賞

空青々と百段の雛飾

〈評〉

 常陸大子駅から歩いて五分ぐらいの所に十二所神社がある。その神社に通じる百段階段には百段全体に雛が飾ってあり、それはみごとなものである。この作品はおそらくそこを訪れたときの作品であろう。段いっぱいに飾られたお雛さまを見ているのである。先ずそのお雛さまの明るい色合に感動したことであろう。そしてそれを見ているうちに眼を空へ移す、そこには折からの晴天、青々とそれが広がっていた。色彩の対比が見事である。

(今瀬剛一)


散歩道春一番が背中押す

〈評〉

 作者は中学生である。勉強にでも飽きて、散歩をしていたのであろうか。歩き方はあまり速くはない。何か考えながら歩いていたのかもしれない。その時背後から風が吹いてきて、押されているように感じた。「春一番」であったのである。春一番は春の到来とともに吹く強い風である。その風に押されるように歩いていく作者の姿がよく感じられる。またどことなくその風に激励を受けているようにも思えるところがある。そこが面白い。

(今瀬剛一)


花ふぶき手をのばしてもすりぬける

〈評〉

 いかにも小学生らしい飾り気のない、真実の表現がいいと思った。風が吹いてきてちょうど吹雪のように花びらがたくさん散ることを「花吹雪」という。そうした状態のとき誰でもそれを手で受けたがる。そうした動作が先ず自然でいい。そしてその軽やかに飛ぶ花びらが両手の間、指の間を擦り抜けていくという、これもまたその通り。くっきりと見える二枚の手、擦り抜ける花びらが何とも美しく感じられる。

(今瀬剛一)


優秀

一般の部

茶の畝のまろまろ風の光りけり 平野暢行 栃木県宇都宮市
久慈川の遠く光りぬ麦の秋 佐川まさゆき 茨城県日立市
滝しぶき新緑の山吹き上げる 長野八重 神奈川県横浜市
奥久慈の尖る山脈二月尽 森島 昭 茨城県笠間市
八溝山拝む新茶の摘はじめ 大谷一郎 茨城県常陸太田市
しつかりと稲架組んで奥久慈の里 平野暢行 栃木県宇都宮市
四度の滝大きく裾を広げをり 青木敏行 神奈川県藤沢市
杉の香の割り箸割りて鮎の宿 望月澄子 茨城県水戸市
生瀬富士それより高き揚げひばり 西成田 輝 茨城県日立市
滝音へ観瀑台を駈け上る 久野とし子 千葉県柏市
凍滝に神住みたまふけはひあり 栗田幸一 茨城県土浦市
青みつつ袋田の滝氷りけり 大西 朋 茨城県つくば市
奥久慈の山黒々と初茜 永井弘子 茨城県水戸市
手作りの座布団置かれ無人駅 大島良子 茨城県水戸市
滝四段音はひとつに冬の滝 寺門勇治 茨城県日立市

中・高生の部

自転車をこぐ手に触る若木の芽 飯田 要 茨城県久慈郡大子町
清らかな流れに映える鮎の影 長山尚史 茨城県久慈郡大子町
夕立の後の緑の美しさ 野尻麻那美 茨城県久慈郡大子町
深呼吸露天の夜空にオリオン座 青野利美 茨城県久慈郡大子町
靴脱ぎ場いちょうの降る庭香ぐわしき 横山拓史 茨城県久慈郡大子町

小学生の部

なかよくねならんでいるよおひなさま 鈴木桜子 茨城県久慈郡大子町
桜さきゆれる大きなランドセル 菊池 涼 茨城県久慈郡大子町
たんぽぽのわたげゆらゆらたびをする 菊池 涼 茨城県久慈郡大子町
ゆきだるま冬の大事な家族かな 松浦日菜 茨城県久慈郡大子町
しが流れ滝が氷るよ大子町 鈴木桜子 茨城県久慈郡大子町

 

 

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