大子町俳句ポスト 平成23年度

 平成23年度に投句された約2,300句の中から選ばれました、大子町俳句ポスト年間入選句をご紹介します。

大子町俳句ポスト大賞|優秀:一般の部 / 中・高生の部 / 小学生の部

大子町俳句ポスト大賞

平成23年度一般の部 万緑の山揺るがせて四度の滝

 

〈評〉

実にスケールの大きい作品です。そしてこの表現は確かにあの袋田の滝の特徴をよくとらえ ていると思います。あの滝は本当に山に囲まれていて、その山の中に力強く落ちています。そ の力強さを「山揺るがせて」と作者は表現したのです。夏になると辺り一帯が緑におおわれま すから「万緑」という状況も確かな表現と言えるでしょう。その中にくっきりと見える滝、そ れを「四度の滝」と明確に表現したところも見事だと思います。 (今瀬剛一)

平成23年度中高生の部 春風が僕らの背中を押している

 

〈評〉
悩みの多い、中学生あたりの作品ではないかと思いました。どうしようか、どうしようか、 と迷っていると、とうしても引っ込み思案になってしまうのです。そうした時に風が吹いてき たのです。それも「春風」ですから、どちらかというとやわらかい、明るい風なのです。作者 はその風に勇気づけられたのではないでしょうか。いったんくじけそうになった希望をももう 一度「春風」によって力づけられた、そのような作品として鑑賞しましょう。 (今瀬剛一)

平成23年度小学生の部 冬の滝静かに静かに光ってる

 

〈評〉
 いかにも「冬の滝」らしい作品ですね。「冬」になると辺り一体が枯れてしまうので、自然 に滝自体が目立った存在になります。しかも冬は夏のように水量は多くありませんね。だから 「静かに静かに」という繰り返しの言葉が生きてくるのです。そしてその状態は辺りの枯れと 対比的に「光っている」ということになるのです。いかにも小学生らしい純粋な眼がとらえた 「冬の滝」の姿と言えるでしょう。 (今瀬剛一)

 

優秀

一般の部

離れてもなほ滝の音の残りけり 倉林隆 埼玉県さいたま市
滝風の吹きあげてきて椿落つ 桜井筑蛙 茨城県かすみがうら市
奥久慈の山の連なり囀れり 大島良子 茨城県水戸市
大いなる四段の黙し滝凍る 木村豊子 茨城県常陸太田市
押川をせましと河鹿鳴き交す 樫村陽子 茨城県日立市
五月雨に打たれし木々の柔らかさ 三浦靜子 茨城県東茨城郡大洗町
勇ましき響きでありぬ青葉瀧 長沼誠二 茨城県常陸大宮市
西行の世を思ひをり滝の前 小口一郎 茨城県ひたちなか市
こはごはと覗く谷なり漆掻 西多恵子 茨城県土浦市
冬滝へ近づく足の速さかな 尾木よね子 茨城県常陸大宮市
山襞のいよいよ深く寒に入る 荒井栗山 茨城県石岡市
炉火燃ゆる久慈の奥なる滝見茶屋 大都孝光 茨城県高萩市
凍滝の表を水の走りけり 瀬古陽苑 愛知県岡崎市
凍滝の音は日当るあたりより 山田祥生 茨城県日立市
稲掛けて見えなくなりし生瀬富士 佐川まさゆき 茨城県日立市

中・高生の部

夏が過ぎ寂しさ残る藁帽子 石井希実 茨城県久慈郡大子町
雑巾もきれいな色の新学期 岡野昂汰 茨城県久慈郡大子町
新米の甘み広がる口の中 菊池天都也 茨城県久慈郡大子町
通学路一直線の彼岸花 町島智大 茨城県久慈郡大子町
復興を聖夜の空に願いけり 菊池聖哉 茨城県久慈郡大子町

小学生の部

花たちが新入生をまっている 菊池和輝 茨城県久慈郡大子町
春風に日本のこっきゆれている 星嘉孝 茨城県久慈郡大子町
ふわふわとわた毛が飛んで旅に出る 菊池沙羅 茨城県久慈郡大子町
赤とんぼ大子の空を赤くする 鷲尾俊光 茨城県日立市
森の湯のりんごぷかぷかよって来る 鷲尾行俊 茨城県日立市

 

 

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