大子町俳句ポスト 平成26年度

平成26年度に投句された2,151句の中から選ばれました、大子町俳句ポスト年間入選句をご紹介します。

大子町俳句ポスト大賞|優秀:一般の部 / 中・高生の部 / 小学生の部

大子町俳句ポスト大賞

凍蒟蒻ちらつく雪の田に晒す

 

〈評〉

凍蒟蒻は奥久慈地方の特産品であると聞いている。平成十八年発行の「奥久慈歳時記」にもその製造過程が詳しく記されている。それによると日中と夜間、裏返ししながら二週間かけて作るという。寒さの中の作業だけにかなりきついことと思う。この作品はその厳しい作業を見事にとらえていると思った。「ちらつく雪の田に晒す」はまさに実感であろう。雪の降る中凍蒟蒻を干し並べる農家の方の姿が目に見える様である。(今瀬剛一)

ほとばしる水に大根の白さかな

 

〈評〉

大根を洗っているところを詠んだのではないでしょうか。「ほとばしる水」とありますからあるいは自家用の水道で洗っているのかも知れません。もちろん川や谷の水の勢いよく流れ出している場面を想像してもいいですよ。大根にぶつかる水、大根の白さが際立って感じられます。中学生なのによく「かな」という切れ字の使用法も心得ていますね。この切れ字によって「大根の白さ」が強調されているのです。(今瀬剛一)

卒業式桜草にもさようなら

 

〈評〉

いかにも小学生らしい卒業の日の様子ですね。本当の思いをよく表現しました。「桜草にもさようなら」という表現には感謝の思いが表現されていますね。先生方とも、友達とも、そして桜草とも今日でお別れなのです。「も」という言葉がとてもよく効いているので辺りの全てのお世話になったもの、それこそ六年間お世話になった学校自体にも「さようなら」と言っている様に聞こえます。(今瀬剛一)

 

優秀

一般の部

滝川の流れゆるやか河鹿なく

大島良子 茨城県水戸市
朴咲くや俳句の里の澄みし空 阪上悠 千葉県柏市
奥久慈の新緑眩し初燕 鈴木忠誠 茨城県久慈郡大子町
天を突き地を蹴りよさこい青葉風 菊池信也 茨城県久慈郡大子町
ぎゆつと抱くさくらの下の合格子 中山多佳 栃木県宇都宮市
鶯の次の声待つ八溝山 中原ひそむ 茨城県北茨城市
鮎つかむ子らの歓声やな日和 多田朱美 千葉県匝瑳市
湯上りの一瞬の間のおにやんま 浜田サト 茨城県笠間市
奥久慈は父母のふる里枇杷熟るゝ 佐川まさゆき 茨城県日立市
春光の駅前機関車黒光り 醍醐太郎 茨城県久慈郡大子町
紅葉山左右に分けて大瀑布 赤井摩弥子 埼玉県蓮田市
奥久慈の山の深さよ蕎麦の花 大島良子 茨城県水戸市
とうとうと水あふれゐる秋の滝 星川叔子 香川県高松市
植木市匂ひを放つ金木犀 三浦キミヱ 茨城県久慈郡大子町
声届きさう秋晴の生瀬冨士 佐川まさゆき 茨城県日立市

中・高生の部

いつもより背筋が伸びる新学期 星嘉孝 茨城県久慈郡大子町
夕焼けの色に溶け込む赤蜻蛉 益子竜星 茨城県久慈郡大子町
向日葵が空へ向かって伸びていく 益子瑠々 茨城県久慈郡大子町
過ぎ去りし台風のあと暴れ滝 笠井光香利 茨城県久慈郡大子町
夕暮れに美しくなるひがん花 堀江颯汰 茨城県久慈郡大子町

小学生の部

たきよりもはれわたる空見あげてる 菅野藍花 千葉県習志野市
桜さく一年生と手をつなぐ 久保木亮 茨城県笠間市
ひくくとぶつばめをうつす水たまり 関口裕章 東京都足立区
あじさいがやさしい雨に打たれてる 小松聖 茨城県久慈郡大子町
鰯雲みんないっしょにどこ行くの 飛田唯衣 茨城県久慈郡大子町

 

 

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